璃房ステンドグラス

DIARY日記

タコの滑り台

昨日は山梨で教室があった。
帰りは実家から甲府駅まで歩くのだが、道を変えてみると駅近くの公園にタコの滑り台があった。こんなのあったっけ?タコの周りにロープと貼り紙がしてあった。夜だったので読めなかったが、きっと取り壊しになるのかな?と思った。
かつては真っ赤で子供達もたくさん遊んでいただろう。赤い塗装は剥げ落ちさみしそうである。
そして今日の読売新聞、都民板にタコの滑り台の記事がある。作ったのは芸大卒の芸術家の卵で「子供達の想像力を刺激してやろう」複数の曲線が組み合わさった、何か分からない抽象形の滑り台を作った。ヘンリ-・ムーアのような。
「石の山」と名付け、いくつかの公園で採用され自信満々だった。それが区役所の幹部の一言で、その鼻をポキリと折られてしまったそうである。
「これじゃあ何だか分からんなあ。そうだ、頭を付けてタコにするか」
「なんてこった」頭を付けて渋々作った。だが、そんな思いに反して注文が次々寄せられた。
なんでと思い公園に行ってみると、子供達は大喜びしている。やっぱり子供達が楽しんでくれる物を素直に作らなければ、っと思ったそうである。
昨日、帰り道を変えさせ、出会えたタコが私に呼びかけている。タコが私に何か教えようとしている。とは考え過ぎだろうか。私にはそんな思考癖がある。
記事になったタコは40年間愛されて昨年の7月に壊されてしまった。お別れ会では
「タコさん、思い出をありがとう」。子供達の声に制作者は胸が熱くなった。そしてこんなことを思ったそうである。
「頭が付いていないままだったら、こんなに愛されることはなかったかもしれない」