璃房ステンドグラス

DIARY日記

ブックハウス ゆう

千駄ヶ谷商店街にある本屋が一昨日で閉店した。
常連でもないが、最後の日だからと2冊購入。
商店街は国立競技場のホープ軒の信号から、鳩の森神社〜明治通の北参道に抜ける道にあり、前回のオリンピック前は、連れ込み宿や商店など賑やかだったらしい。
村上春樹のジャズ喫茶があった場所としても有名で、鳩の森神社でするノーベル文学賞のパブリックビューイングも、数年前まで春樹愛にあふれた店主が、店頭にテレビを置き発表を待った。
受賞はないな〜と思いながら遠巻きに見てると、受賞した時の号外もちゃんとおじさんが用意してあり、せっかくだからともらってきたりした。
本屋の店の奥には春樹コーナーには、使用していたカーテン、地元のお祭りに協賛したジャズ喫茶の店名入り提灯がある。村上春樹や千駄ヶ谷の歴史など勉強会もしていたことをネットで知った。

写真を撮る人、昔話をしにきた近所の人、私のように最後だからと本を買いにきた人、若い人もいた。なかなか賑わっていた。
少なくなった本棚から探すのは難しかった。
初めて春樹を読むなら『風の歌を聴け』らしい。おじさんと意見が合うのかも。
50年近く千駄ヶ谷で頑張ってきたのをやめる時ってどんな感じだろう?
気になって、ビールを買いに行く口実で9時過ぎに通りかかるともうシャッターが閉まっていた。
自分にもいつかこんな日が来るのかな?
私が住み始めた12年前にはあった魚屋も肉屋も、工房を始めた頃通ってた銭湯もなくなった。
オリンピックも近づいてきたので、この辺も変わっていく。
普段買わない人たちが買っていて、おじさんは嬉しそうだった。